映画「三谷幸喜 大空港2013」

 「アナと雪の女王」を見るか「クレヨンしんちゃん」を見るかで迷った結果の三谷幸喜。もともとwowowでやってたドラマを特別劇場放送、ということで連休初日に有楽町へ。

 三谷幸喜の映像作品はだいたいいつも見てます。なんか面白いので。あのチープというか、お芝居ってことを観客に示しながらすすめる演出が本当に好きです。この作品でいうと、ワンカメラ、ワンショットという一切のカットが入らずに映像が進んでいくという手法。舞台上のお芝居であるということが日常風景のなかで強調されているんですよね。だから言ってる台詞になんの説得力もなく、リアリティなんかも関係なくて、名俳優たちの力いっぱいの演技がどこか笑えてしまうんですよね。「真剣にふざけてる」感じがすごい伝わります。

 それから、ほんとくだらない、ストーリー上無くても全く問題もない台詞を空気読まずに、放り込んでくる感じ。この沸き起こる不快感と微笑が三谷ワールドですね。ウザイキャラをきっちり役割として作っているところも見所やったな。梶原善とか青木さやかがちゃんと「ウザイ」笑。劇場全体に漂うあーはやく次のシーンへ移ってくれ、という一体感が心底見にきてよかったと思わせてくれます。ただ戸田恵梨香は愛されキャラとして出されていたのではないかと思うんですが、石橋杏奈とかいうチョイ役に完全に食われてます。調べてみると「マイ・バック・ページ」で赤邦軍にいた女性を演じてた人か。

 小さい空港を舞台にしたドタバタ劇で、ちょー狭い人物相関図のなかでの話だから、キャラへの感情移入もスムーズでして見終わったあとにとてもすっきりとした気分で帰ることができました。客席はガラガラでしたけど。

 

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