映画「バタフライ・エフェクト」

 映画「バタフライ・エフェクト」鑑賞

いわゆる並行世界とかループもの。SFというより半分ホラーなテイストでラストシーンに大きな感動がある。ボクが確認したほとんどの映画批評サイトで最高レベルの評価で、たしかに面白い。ただ「Steins;Gate」の元ネタらしい、というきっかけで見始めたから完全にネタばれ状態で、そこまで衝撃的という訳でもなかったのがもったいない。

主人公の少年はときどき記憶喪失になる癖があった。大学生になり、主人公は自分には過去を改変する能力があると気付く。タイムスリップできるのは記憶を失ったタイミングだけのようで、このときに本当は何が起こっていたのかが作品の伏線となっている。周囲の人間の運命を変えるために、何度もタイムスリップしては悲劇の連鎖に巻き込まれるというシナリオ。

最近だと「まどか・マギカ」とかいろんな作品でループ展開は多用されてるけど、この作品だと過去に飛ぶタイミングが前半部で設定される伏線の部分になっているから、後半でこれが次第に解消されていくようになっている。だから「とにかく過去に飛んでやり直そう」みたいな無造作な印象じゃなくて、目的が明確になっていてそれだけ副次的な影響が引き起こす悲劇が際立つ。

やっぱりループものって、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」とか「ときをかける少女」みたいなタイムスリップものとは違っていて作品全体に悲壮感が漂ってるなあとよく感じる。そんな違いってどこから来るのか考えてたら、「主人公が帰るべき時間軸」をしっかり持っているところかなと思った。ドラえもんなんてどれだけ過去に干渉しても、平気な顔して20世紀に戻ってくるもんな。ループものは一旦過去改変してしまうと、もう同じ世界はどこにもなくなってしまうからたしかに深刻さは段違い。一昔前のタイムトラベルものはやっぱりどこか能天気な展開だったのかなと最近の流行を見て感じる。

同じ時間軸にいながら別の並行世界に影響力をもつ、みたいな設定の話も昔ちょっと見た気がするけど、その設定では他の時間軸から逆に影響を及ぼされることになって、主人公のいる世界の存続があぶない!みたいな感じで進んでいってた。「バタフライ・エフェクト」にもそこに繋がるSFの継承みたいなものがあって、どんどん進化していくのかとしみじみ思います。

f:id:masamoto23:20130512031050j:plain